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若手税理士のいろはにほへと

若手税理士のいろはにほへと

   

日常の税理士業務の中で気がついたことや、研修や書籍で得た情報を含め、雑多にアップしたいと思っております。自分の勉強ノートを公開した程度のものだとご理解ください。特に税務知識については、同じような経験をされて判断に迷われている方のお力になれればとてもうれしく思います。なお、掲載した日時点の税法であり私自身の知識・経験によりますので、最新の情報や実際の取扱い等についてはご自身にて十分にご確認下さい。

若手税理士のいろはにほへと

ブログ

一般社団法人の全所得課税への切り替わり

2019年09月05日|近藤会計

お客様のお庭にて☆

一般社団法人の非営利型を前提としますが、

非営利型法人の要件(※)を満たさなくなったことによりそれ以外の法人に該当することになり、
収益事業課税から全所得課税に切り替わった場合には、
収益事業課税のときに課税されなかった累積の所得金額等が益金等となり、過去の課税関係を清算することになります。


・定款に剰余金の分配を行わない旨の定め
・定款に解散したときの残余財産が国等に帰属する旨の定め
・上記の定款の定めに反する行為(特定の個人等に特別の利益を与える等)を行ったことが無い等
・親族等要件 3分の1以下
 
当初より公益的な目的があって設立した場合に、要件を満たさなくなることはなかなか想定し難いですし、
そもそも収益事業以外の累積所得金額なんて生ずるかな、とも思うのですが、
それでも躊躇してしまいます。

規模の大きくない一般社団法人であればそれほど心配する必要はないのかもしれないですね。

将来にわたって非営利性を保てると自信をもって言えるといいのですが、、、

また、これとは別に譲渡所得の基因となる資産等について措置法40条のみなし譲渡がなかったものとされる規定もありますが、
取り消されることを考えると結局は課税の繰り延べにしか感じられません。


第十款 公益法人等が普通法人等に移行する場合の所得の金額の計算 一部抜粋
第六十四条の四 公益法人等である内国法人が普通法人又は協同組合等に該当することとなつた場合には、「累積所得金額」又は累積欠損金額」に相当する金額は、当該内国法人の当該移行日の属する事業年度の所得の金額の計算上、益金の額又は損金の額に算入する。

教育資金贈与の非課税に関する税制改正

2019年09月03日|近藤会計

いまでも相続税対策の筆頭として話に上がる教育資金贈与

政府も当然に若年層への資金の移転を図ることで景気拡大(特に住宅需要)を目的にしているわけですから、大手を振って相続税対策として良いわけ(?)で、

ただ、年々税制改正等によって制度が縮小されてきています。

あらためて令和元年の税制改正による変更点を確認します。

・受贈者の所得制限
・贈与者が死亡した場合の残高への相続税課税の可能性
・教育資金の範囲の見直し
・教育資金信託終了事由の見直し

特に

1.受贈者の合計所得金額が1000万円超となった場合には非課税制度を利用できない

⇒高額所得者に税制優遇を適用するのは格差拡大

2.相続開始前3年以内の教育資金贈与は受贈者が相続等により取得したものとみなされる。ただし、受贈者が23歳未満である等の場合には相続財産に含まない

⇒亡くなる直前の相続税対策として実行されるのが問題となっていたので一定の規制をした

3.継続して学んでいるなど一定の場合には30歳に達しても教育資金贈与制度を終了しない。最長40歳までこの制度を利用できる

⇒最近は、30歳に達しても学校で学ぶ人が増えたことから、時代に対応した

 

毎年の税制改正を追うのも仕事ですが、激動の変化が続いているように感じてます。

納税猶予の利子税、延納の利子税、そして担保価値②

2019年08月31日|近藤会計

今度は延納の利子税を確認したいと思います。

(算式)
延納利子税割合(年割合) × 延納特例基準割合(※) ÷ 7.3% (注)0.1%未満の端数は切り捨て

延納特例基準割合については、先ほどの農地等の納税猶予に係る利子税の特例基準割合と同じです。

こちらの表はみなさんご存じの通りの評価と思います。

財産の価額の合計額のうちに占める不動産等の価額の割合によって、利子税率が異なります。

各年の延納特例基準割合が7.3%に満たない場合の利子税の割合は、特例割合が適用されることになりますから、
直近では特例割合になるかと思います。

例えば不動産等の割合が75%以上の場合の、不動産等に係る延納相続税の特例割合は農地等の納税猶予に係る利子税率と同じ0.7%となります。

延納の際の必要担保額については、

担保財産価値 > 担保財産価値 > 延納した相続税本税+第一回目の利子税✕3

なお、延納の利率は、延納適用時の利率が固定金利となるため、延納適用時点での高い利率が適用されたままであるような場合は、金融機関による借り替えを検討する必要もあるかもしれません。

納税猶予の利子税と延納の利子税を区分して理解する必要がありますが、なかなか難しいです!

納税猶予の利子税、延納の利子税、そして担保価値①

2019年08月31日|近藤会計

小田原の税理士の近藤慎之助です。

小田原税務署管轄だけではないと思うのですが、
延納の管轄が横浜中税務署から国税局に移ったそうで、

国税局の担当者いわく、延納の事前確認も所轄税務署で出来なくなったとことで、延納にかかる利子税相当が担保価値に収まっているかどうかを自身で確認する必要が出てきます。
(⇒※追記、国税局より事前相談は現在も可能ですとの回答をもらいました、国税局の担当者さん間違えてますよ(^^;12/18)

この利子税の計算を自身で確認するのは結構難しく、そもそも利子税の率はどの率を使えば良いのか、たくさんの率があるなか、選択するのは困難です。

利子税と利率について私なりにまとめてみました。

農地等の納税猶予の利子税

計算式
3.6%又は6.6% × 特例基準割合 ÷ 7.3%

がベースですが、まずは

3.6%か6.6%かです、ざっくり区分すれば

市街化区域内農地 ・・・6.6%
それ以外・・・3.6% ここには生産緑地も含まれます

通常は生産緑地に対して納税猶予を利用される方が多いので、生産緑地を前提として利率を計算します。

次に特例基準割合を確認する訳でこれがどこを見れば良いのか分かりづらい

~各年の前々年の10月から前年の9月までの各月における銀行の新規の短期貸出約定平均金利の合計を12で除して得た割合として各年の前年の12月15日までに財務大臣が告示する割合に年1%を加算した割合~

これを実際に当てはめてみると

新規の短期貸出約定平均金利は次の通り、日本銀行のデータとしてありました

10月から9月までを合計して12月で割ると0.6となります。(計算合っていますでしょうか?)

つまり平成30年12月に財務省より公示された割合と一致しています。


 

これに1%加算すると1.6%となり、特例基準割合が算定されます。

直近の特例基準割合の推移は次の通り

平成26年1月1日 ~  1.9%
平成27年1月1日 ~  1.8%
平成29年1月1日 ~  1.7%
平成30年1月1日 ~  1.6%

そしてこの特例基準割合を最初の算式に当てはめて、
無事、農地等の納税猶予の利子税率(生産緑地を前提にしています)が算定されます。

平成26年1月1日 ~  0.9%
平成27年1月1日 ~  0.8%
平成29年1月1日 ~  0.8%
平成30年1月1日 ~  0.7%

農地等の納税猶予の必要担保額の計算では利子税額は平均余命による利子税を本税に上乗せとのことなので、
担保財産価値 > 猶予した相続税本税+年の利子税額×平均余命
という式になるはずです(税務署に確認していません)


 
(納税猶予分の相続税額に相当する担保) 措置法通達70条の6-17抜粋
70の6-17 措置法第70条の6第1項に規定する「当該納税猶予分の相続税額に相当する担保」とは、納税猶予に係る相続税の本税の額と当該本税に係る納税猶予期間中の利子税の額との合計額に相当する担保をいうものとする。

(1) この場合において、同項の規定の適用を受ける農地等の全部を担保として提供する場合(当該農地等につき当該相続税額に優先する担保権が設定されている場合を除く。)には、同項に規定する「当該納税猶予分の相続税額に相当する担保を提供した場合」に該当するものとする。
(2) なお、上記以外の方法により担保を提供する場合には、納税猶予に係る相続税の本税の額とこれに係る農業相続人の平均余命年数に相当する納税猶予期間中の利子税の額との合計額に相当する担保が提供された場合が同項に規定する「当該納税猶予分の相続税額に相当する担保を提供した場合」に該当するものとして取り扱う。

満期保険金の据え置きと年金支払開始日の繰り延べと

2019年08月24日|近藤会計

小田原フラワーガーデンより☆


 
小田原の税理士の近藤慎之助です。

~年金支払開始日の前日に、1回に限り、1年を限度として、年金支払開始日を繰り延べることができます。~

このような保険のしおりを見ることがあります。

これは満期保険金の据え置きの取り扱いとどのような関係になっているのでしょうか疑問に感じました。

満期保険金を据え置いた場合の所得税の取り扱いは、

~一時所得の総収入金額の収入すべき時期は、満期返戻金等のようなものについては、その支払を受けるべき事実が生じた日による。(所基通36-13 抜粋)~

つまり満期保険金を据え置いて、保険金を受け取っていなかったとしても満期日を迎えた年の所得として税金がかかるということです。
満期を迎えて、もらったお金をあらためて保険会社に預けなおした、と課税上整理されます。
手許にない保険金に課税されるため資金繰りが悪くなります。

そして、年金開始日の繰り延べは別物として、
-年間繰り延べた際には、例えば本来課税される年の翌年に課税されることになるそうです。支払調書の発行も翌年になると、(某保険会社より)
繰り延べは1年に限定している保険会社さんが多いように感じますが、
これって利益調整じゃないの?と感じつつ、、

お客様に個人年金の受け取りを据え置きにしたのか、繰り延べにしたのか確認する必要がありますし、
保険会社から提出される支払調書はいつ発行されるのか、保険会社に確認する必要もあると思います。

個人の方で据え置いたのか繰り延べたのか把握している方は少ないと思いますし、

やはり保険会社にご本人と一緒に電話して課税関係(支払調書の提出時期等)を確認するのが
ベストだと思います。

保険の税務の取り扱いは保険会社の契約内容等により変わるため、想像以上に難しい!!
 


 

補足ですが、
保険の相談で多いのが、一時受取とするか、年金受け取りとするかという論点で、
ご主人の社会保険の扶養から外れたくないのだけれど、、、
という相談。

ご主人の会社によりますが、

通常は、満期金の受け取りなどによる継続性のない収入・所得は社会保険の扶養上の判断基準に入れないことが
多いと思います。まずはご主人の会社にご確認くださいということになります。

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