
日常の税理士業務の中で気がついたことや、研修や書籍で得た情報を含め、雑多にアップしたいと思っております。自分の勉強ノートを公開した程度のものだとご理解ください。特に税務知識については、同じような経験をされて判断に迷われている方のお力になれればとてもうれしく思います。なお、掲載した日時点の税法であり私自身の知識・経験によりますので、最新の情報等についてはご自身にて十分にご確認下さい。
2022年12月30日|近藤会計
令和4年12月19日号 T&Amasterより
熊王先生があらためて相続の際のインボイスをまとめていらっしゃるので
私もあらためて考えておこうと思います
仕入税額控除の経過措置の絡みもありますから令和5年中はインボイスに関して混乱することになりそうだなぁ
1、インボイス登録申請していた個人事業主が令和5年10月1日より前に死亡した場合(相続人が事業を承継することを前提にします)
・・・相続人が令和5年10月1日からインボイス登録を受けるには、原則令和5年3月31日までの登録申請が必要だが、困難な事情(相続)を記載した登録申請書を令和5年9月30日までに提出すれば、令和5年10月1日に登録を受けたものとみなされる。
2、同上、令和5年10月1日以後に死亡した場合(相続人が事業を承継することを前提にします)
相続の場合の一番の混乱ポイントは、相続人の誰かが事業を承継するにしても、未分割期間が生じるということですよね、、、
まず、相続人が被相続人の消費税に関して「適格請求書発行事業者の死亡届出書」を提出すれば・・・その翌日に登録が失効、
提出しなければ・・・相続開始日の翌日から4か月目に登録が失効、
普通に考えれば、分割が決まっていなければ、4か月ギリギリまで粘りますよね?
たとえ、相続人の法定相続分割合で考えると免税事業者であったとしても、とりあえず みなしインボイス登録者として消費税をもらうことになるでしょうから、、、
そうすると、免税事業者にあたる相続人も4か月目までにインボイスの登録申請をするかどうか検討が必要になる。
あるいは4か月以内に消費税に関する対象物件の分割協議のめどをたてないといけないことになる、、、いやそれは無理!
4ヵ月過ぎて未分割状態で、相続人の一人がインボイス登録しないことを選択したならば、これまた借主とどういった調整が行われるのか、今のところ想像もつきません
これに簡易課税の検討届出の手続が加わりまして、、、
やはり混乱必須でしょうね、今のままだと税制は複雑化しています
2022年12月18日|近藤会計
小田原の税理士の近藤慎之助です。
国税速報 令和4年12月5日第6734号非公開裁決事例の紹介より
太陽光発電設備の課税仕入れについて
1、工事代金の全額の支払いが完了した平成30年5月25日か
2、太陽光発電説部のパワーコンディショナを作動させる工事が完了、つまり発電設備が稼働できる状況になった平成30年7月10日か
1と2の間で決算をむかえている(平成30年6月30日)ので判断が必要だったわけですが
また、平成30年5月17日に消費税課税事業者選択届出書を提出しているため、令和元年6月期から消費税の課税事業者になっている。
審判所の判断として、本件契約は太陽光発電設備の譲渡契約ではなく、発電設備により電力を売電することができる状態とする契約と判断し、
太陽光発電設備の課税仕入れを行った日は、2、の平成30年7月10日と判断している。
消費税は丁寧な確認と判断が必要です。
2022年05月01日|近藤会計
インボイス制度の開始にむけて
テナント家賃などの課税賃料1000万円以下の賃貸業の方も
受けているテナントからの水道光熱費代を通過勘定として処理できるかどうか検討を始めないといけないのでしょうね
国税庁の質疑応答事例を読む限りポイントは
1、水道光熱費等を毎月一定額を領収している場合は課税の対象となる
2、各テナントごとに水道光熱費のメーターが区分されている
3、集金した水道光熱費は経理上預り金として処理している
消費税法基本通達
(資産の貸付けに伴う共益費)
10-1-14 建物等の資産の貸付けに際し賃貸人がその賃借人から収受する電気、ガス、水道料等の実費に相当するいわゆる共益費は、建物等の資産の貸付けに係る対価に含まれる。
2020年08月05日|近藤会計
税理士の近藤慎之助です
消費税の課税対象は、国内において事業者が事業として対価を得て行う資産の譲渡等及び外国貨物の引取りです。
あるいみすべてがこの一文に含まれていると思うのですが、
思いのほか個人の譲渡所得に関して、消費税が課税対象なのかどうか判断に迷われている方が多いようです、
事業者であっても、事業として対価を得ていない場合は課税対象ではく、そして
「事業として」とは、対価を得て行われる資産の譲渡等を繰り返し、継続、かつ、独立して行うことをいいます。
1 課税事業者が事業用の資産を譲渡した場合
この場合の譲渡は、事業に付随して対価を得て行われる資産の譲渡となりますので消費税等が課税されます。
2 課税事業者が生活用の資産を譲渡した場合又は免税事業者や事業者でない者が資産を譲渡した場合
この場合は、消費税等は課税されませんので、譲渡価額には消費税等の額は含まれません。
2020年07月05日|近藤会計
税理士の近藤慎之助です
相続があった場合で分割協議により分割を確定させた場合の消費税の納税義務の判定について、東京国税局と大阪国税局どちらも回答事例を公表しています。
同じ結論なのですが、原則として被相続人の課税売上高を法定相続分により按分し、判定することが記載されています、
分割協議の内容に応じての按分でしなければいけないわけではありませんので、注意が必要です。
有利不利判定が出来るのか定かではありませんが、通常は法定相続分による按分で判定した方が有利になるのでしょうね、
そして、法定相続分による按分を前提とした文書回答となっています。
東京国税局 文書回答事例 抜粋
消費税の納税義務者に該当するかどうかは、上記(1)の丸1及び丸2のとおり、事業者自らが事前に予知しておく必要があり、また、上記(1)の丸3のとおり、相続財産が未分割の場合における納税義務の判定方法が示されています。
このようなことから、消費税法第10条の適用に当たっては、事業者が、判定時点での適正な事実関係に基づき消費税関係法令の規定に従って納税義務が判定されたものである場合にはその判定が認められるものと解するのが相当であると考えます。