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若手税理士のいろはにほへと

若手税理士のいろはにほへと

   

日常の税理士業務の中で気がついたことや、研修や書籍で得た情報を含め、雑多にアップしたいと思っております。自分の勉強ノートを公開した程度のものだとご理解ください。特に税務知識については、同じような経験をされて判断に迷われている方のお力になれればとてもうれしく思います。なお、掲載した日時点の税法であり私自身の知識・経験によりますので、最新の情報や実際の取扱い等についてはご自身にて十分にご確認下さい。

若手税理士のいろはにほへと

法人税

短期前払費用の損金算入

2022年01月08日|近藤会計

今年もよろしくお願いいたします!

短期前払費用の損金算入について、毎日の事務に流されるとゆるい判断基準で経費計上しがちに思いますが、

あらためて注意喚起ということで記録しておこうかと思います

国税速報令和3年12月20日号を参考に

法人税法上の損金の額に算入されるのは

原価、販管費、損失とあり

原価・・・収益対応
販管費・・・債務確定主義
損失・・・損失発生基準

基準により損金算入される

販管費は債務確定主義だから、原則として前原費用は損金算入できない

が、その特例としての位置づけです

原価に関しては、収益対応ですから、収益と対応させた損金算入となり、短期前払費用の取り扱いはない


第2款 販売費及び一般管理費等

(短期の前払費用)
2-2-14 前払費用(一定の契約に基づき継続的に役務の提供を受けるために支出した費用のうち当該事業年度終了の時においてまだ提供を受けていない役務に対応するものをいう。以下2-2-14において同じ。)の額は、当該事業年度の損金の額に算入されないのであるが、法人が、前払費用の額でその支払った日から1年以内に提供を受ける役務に係るものを支払った場合において、その支払った額に相当する金額を継続してその支払った日の属する事業年度の損金の額に算入しているときは、これを認める。
(注) 例えば借入金を預金、有価証券等に運用する場合のその借入金に係る支払利子のように、収益の計上と対応させる必要があるものについては、後段の取扱いの適用はないものとする。

国税不服審判所の公表裁決を確認 令和元年7月2日裁決 法人税

2020年11月09日|近藤会計

大雄山最乗寺、苔むしています


税理士の近藤慎之助です

国税不服審判所の公表裁決 令和元年7月2日裁決です

法人税の重加算税取消事案です

図面の電子データ化ソフトの工事完了日について、業者と通謀して虚偽の証憑書類を作成したとして、重加算税を賦課決定しています

工事代金は405万円、手書きの図面を電子データ化して上書きも可能?で、今までエクセルやCADデータで統一されていなかったものを統一する目的で導入ということで、とても便利そうに聞こえます

結論としては、会社の管理体制などから見て、今般の工事は役務の提供が実質的に完了しているとの認識の下にあり、取引先と通謀して意図的に虚偽の検収日を記載したとは認められないとして、重加算税を取り消しています

国税不服審判所の公表裁決を全件確認 令和元年11月20日裁決 法人税

2020年10月29日|近藤会計

税理士の近藤慎之助です

令和元年11月20日の裁決です

法人税にかかる重加算税の取消事案です

法人を解散後の清算中に法人所有の山林(取得費1800万)を1億で譲渡したが無申告であることが、隠ぺい仮装に該当するかどうか

論点とは関係ありませんが、請求人は税務職員に「勝手にしろ、申告もしない」、「勝手にしろ、そのうち時効が来る」などと発言しているようです、、、うーん

という発言がありながらも、審判所は隠ぺい仮装の事実があったとは認められないとしています

これは、
1.調査時に、売買契約書や決済代金入金の通帳を提示し、請求人が説明していること
2.調査当初より、山林事業に関しては経費がかかっていることを主張しており、請求人は譲渡による所得が生じていないと認識していた可能性も否定できない

という点から明確な無申告の意図に基づく行為であったと評価することはできない、としています
表現を変えると、当初から法定申告期限までに申告しないことを意図し、その意図を外部からもうかがい得る特段の行動をしたとはいい難い

疑問なのは、請求人は税務署に出向き、山林を譲渡した場合に法人税が発生しない特例がないか相談しているのですが、この辺りは、所得が生じていないと認識していた、といえるのかどうか、、、

それにしても審判所というのはクールだなぁ

国税不服審判所公表裁決全件確認 令和元年10月4日裁決 法人税

2020年10月28日|近藤会計

税理士の近藤慎之助です

令和元年10月4日裁決より
法人税の重加算税取消事案です

法人の従業員が当該従業員の妻を下請業者とする外注取引により外注費を法人より受け取っていたが、これら一連の取引が架空外注費として法人の隠ぺい仮装に該当するかどうか

1.従業員の地位権限について
一使用人としての限定されてものであった

2.従業員の行為態様について
当該架空外注費として受け取った金員は従業員のゴルフ代飲食代に私的に費消されているなどの状況から、法人の業務の一環ではない

3.従業員に対する管理監督について
従業員などの詐取行為を防止するための管理監督が十分であったとはいえない

上記より
審判所の判断として、従業員の行為は仮装に該当するが、従業員の行為を法人の行為と同視することはできないとし、重加算税の賦課要件を満たしていないことから、重加算税の賦課決定処分の全部を取り消している


令和元年10月4日公表裁決より一部抜粋

しかし、納税者以外の者が隠蔽又は仮装する行為を行った場合であっても、それが納税者本人の行為と同視することができるときには、形式的にそれが納税者自身の行為でないというだけで重加算税の賦課が許されないとすると、重加算税制度の趣旨及び目的を没却することになる。
したがって、納税者が法人である場合、法人の従業員など納税者以外の者が隠蔽又は仮装する行為を行った場合であっても、それが納税者本人の行為と同視することができる場合には、納税者本人に対して重加算税を賦課することができると解するのが相当である。
そして、従業員の行為を納税者本人の行為と同視できるか否かについては、1その従業員の地位・権限、2その従業員の行為態様、3その従業員に対する管理・監督の程度等を総合考慮して判断するのが相当である。

国税不服審判所公表裁決全件確認3 重加算税一部取消事案 法人税

2020年10月16日|近藤会計

税理士の近藤慎之助です

令和2年3月10日裁決

法人が決算期末日に計上した未払の修繕費について、相手方との通謀により虚偽の証ひょう書類を作成したため、仮装行為にあたるとして重加算税が賦課されたが取り消された事案

修繕費の金額313万円とどこにどもありそうな事案ですし、修繕工事の完了していない工事を経費計上してしまったあたりもまた、よくある事案に感じます

請求書に納品日が3月30日と記載されていることが虚偽(実際には7月末頃工事完了)、ということですが、確かにシステム上、日付が自動入力されてしまうものもありますから、あながち嘘とも言えないし、、、疑わしきは罰せず、という言葉を使っていいのかわかりませんが、

請求人から4月頃に請求書の発行依頼をしているのだから、特に気にして請求書を発行したのは事実ですから、工事の進捗状況を確認しなかったのはどうかと思います、、、

こういった事案でも、重加算税について税務署と争いになることもある、という学びにしたいと思います

(税理士 近藤慎之助)

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