• お問い合わせ・ご相談はこちら
  • 電話をかける
  • MENU
若手税理士のいろはにほへと

若手税理士のいろはにほへと

   

日常の税理士業務の中で気がついたことや、研修や書籍で得た情報を含め、雑多にアップしたいと思っております。自分の勉強ノートを公開した程度のものだとご理解ください。特に税務知識については、同じような経験をされて判断に迷われている方のお力になれればとてもうれしく思います。なお、掲載した日時点の税法であり私自身の知識・経験によりますので、最新の情報や実際の取扱い等についてはご自身にて十分にご確認下さい。

若手税理士のいろはにほへと

国税不服審判所の公表裁決を確認 令和3年6月24日 過少申告加算税

2021年12月19日|近藤会計

小田原の税理士の近藤慎之助です。

令和3年6月24日裁決より

基礎事実を読んだところで、

相続人達の口座へ平成17年から29年までの間に6200万円が入金されていると、厳しい調査が予想されますよね

また、生前の親族への不動産の売買について、被相続人の承諾なく行った無効売買で錯誤を理由に抹消されたり、
相続人間で生前の出金などについて訴訟を提起する予定であることから、税務上の整理も非常に困難であることが予想されます

請求人は、相続税の申告に当たり、報告書を添付しており、他の相続人やその家族がいかに被相続人の預貯金を自由に管理していた旨を記載して提出しているようです。
こういったことは、あり得ることと思いますが、税務署が実際にこれらの報告書を受けて動くのは稀に思います。税務署も金額次第ですからね

不思議なのは、請求人が当初申告書に報告書なるものを添付しておかしなかつ不明な出金があることを税務署に報告しているのに、
その請求人が税務署と、他の親族に対しての預け金か贈与か争っているという状況です

あっ、請求人は税理士なのですね、なるほど

審判所の判断は、被相続人の口座から出金し相続人へ入金された金額は預け金(債権)として判断しています。

過少申告加算税の「真に納税者の責めに帰することのできない客観的な事情」については

1.不動産の売買が後日錯誤により抹消されていた事実は知り得ないでしょう⇒これは正当な理由として認められました。

2.現金について、「請求人は、本件現金を含む出金された現金の使途について、相続人Hに口頭で数回尋ね、それに対し、相続人Hから本件被相続人のために使った旨の抽象的な返事をされただけで、それ以上、具体的にその使途を追及したり、調査することもなく」⇒これだけでは、責めに帰することのできない正当な理由があった、とは言えないわけです。

3.親族口座への入金額について、現金と同じく、「請求人は、本件現金を含む出金された現金の使途について、相続人Hに口頭で数回尋ね、それに対し、相続人Hから本件被相続人のために使った旨の抽象的な返事をされただけで、それ以上、具体的にその使途を追及したり、調査することもなく」⇒これだけでは不十分と言われています。

正当な理由に該当するのはなかなか簡単ではない、ことを肝に銘じておきたいと思います。

連帯納付義務に係る利子税と延滞税 相続税や贈与税

2021年12月18日|近藤会計

小田原の税理士の近藤慎之助です。

贈与税や相続税で気を付けないといけない連帯納付義務についてですが、

今のところ、実際に連帯納付義務を課された経験はありません。
連帯納付義務についての通知(お知らせ)を相続人の方がいただいたところまでです。
通知を受けた方は何事かと驚きますが、その後、相続人間での調整により実際に税務署より連帯納付を求められるところは回避しています。

利益を受けた価額を限度としている制限はありますが、それでも納得のいくものではないでしょうね。

連帯納付義務に基づく相続税の納付に関しても延滞税が課されていましたが、平成23年度税制改正により連帯納付義務者に課される延滞税は、利子税に軽減されています。

連帯納付義務者に課される利子税等と、本来の納税義務者の延滞税はどう理解すればよいのか、本来の納税義務者は課されている延滞税と連帯納付義務者が支払った利子税の差額を支払うといった解釈もあるようなのですが、、、
そのような取り扱いはどこから読むのか探し中です。

また、各相続人の利益を受けた価額の算出について、下公表裁決にこのような記載があります。
その他も備忘として、、、

(ニ) なお、上記イの(イ)の法令解釈のとおり、相続により取得した財産の価額は取得時すなわち相続開始時の時価により評価され、これを前提として各相続人の相続税の納税義務も確定されるから、連帯納付責任限度額も、取得した財産の相続開始時の時価を算出の基礎とすべきである。


平成26年6月25日公表裁決 より抜粋

(ロ) 連帯納付義務と補充性
 固有の納税額につき本来の納税義務者でない者に納付責任を負わせるという点で連帯納付義務者と類似するものに通則法第50条《担保の種類》第6号に規定する納税保証人及び徴収法第32条《第二次納税義務の通則》に規定する第二次納税義務者があるが、これらの者から徴収しようとするときは、いずれも本来の納税義務者に対して滞納処分を執行してもなお徴収すべき額に不足する場合に限るとして補充性を明示的に規定している(通則法第52条《担保の処分》第4項、同条第5項及び徴収法第32条第4項)。それにもかかわらず、連帯納付義務者には、補充性を定めた規定がおかれていないことに照らすと、連帯納付義務には補充性はないと解されるから、連帯納付義務者は、本来の納税義務者に対する滞納処分の状況等の如何にかかわらず、連帯納付義務を負うと解するのが相当である。
(ハ) 連帯納付義務者に対する納付通知
 上記(イ)のとおり、連帯納付責任額は、各相続人等が固有に納付義務を負う額が確定するのとともに確定するのであり、国税の徴収に当たる所轄庁は、連帯納付義務につき格別の確定手続を要さずに徴収手続を行うことが許されるものと解される。しかし、他方で、相続人等の事情は一様ではなく、連帯納付義務を負う相続人等が、連帯納付義務を十分認識していないか、他の相続人等の履行状況が分からない場合もある。また、納付すべき金額、納付期限その他納付義務の具体的内容などについて知ることができないこともあるから、通常の申告納税方式にのっとった徴税手続をそのまま行うことで、当該連帯納付義務者に不意打ちの感を与え、又は納付義務の内容の不明確等により連帯納付義務者を困惑させるような事態になることがないわけではない。
 そこで、このような事態が生じないよう、平成23年度及び平成24年度税制改正(平成23年法律第82号及び平成24年法律第16号)において、本来の納税義務者に相続税の督促(通則法第38条に規定する繰上請求を含む。)をした後1月を経過する日までに完納されないときは、本来の納税義務者が円滑に相続税を納付している場合に比して連帯納付義務の履行を求められる可能性が高まったものとして、連帯納付義務者に対し、当該相続税が完納されていないことなどを通知する旨を相続税法第34条第5項に規定し、さらに当該通知後、実際に連帯納付義務者から徴収しようとするときは、納付すべき金額、納付場所その他必要な事項を記載した納付通知書による通知をしなければならない旨を同条第6項に規定することによって、連帯納付義務者に対して連帯納付義務の履行を求めるための通知の手続が法定されたものと解される。

国税の予納制度と修正申告の延滞税の計算期間の特例

2021年12月15日|近藤会計

小田原の税理士の近藤慎之助です。

私は利用したことが無いのですが、税務調査時において
予納制度を利用している方もいらっしゃるのですね。

確かに本税が大きい場合には、予納をした方が延滞税の軽減につながることもあり得ますからメリットはあるのかもしれません。

ただ、法定申告期限から1年を経過して修正申告を行う場合には、除算期間がないと通常は1年分の延滞税で切りますから、あまり関係ないように感じていたのですけれども、、、
関係してきそうなのは、本税が多額な期限後申告に関しての税務調査、あるいは重加算税事案になりそうな税務調査、という感じでしょうか、

調査時の予納とは別に、
国税の期限内申告の納付見込みをe-Taxでダイレクト納付をしておく(簿外に貯めておく感覚でしょうか)こともできるようになったわけですが、
予定納税もありますから、それ以外にも税金を前払いしておくことにするとはどういった理由なのか、、、今のところ利用のタイミングのイメージがわきません。

 


 

以下国税通則法の抜粋ですが、あまり参考になりませんです。
 
国税通則法
(国税の予納額の還付の特例)
第五十九条 納税者は、次に掲げる国税として納付する旨を税務署長に申し出て納付した金額があるときは、その還付を請求することができない。
一 納付すべき税額の確定した国税で、その納期が到来していないもの
二 最近において納付すべき税額の確定することが確実であると認められる国税

令和4年度 税制改正大綱が決定されました

2021年12月11日|近藤会計

小田原の税理士の近藤慎之助です。

令和4年度税制改正大綱が公表されました。

サッと目を通して現在気になっている項目を記録しておきたいと思います。

週刊誌等で騒がれた贈与税の非課税制度の廃止は、不断の見直しを行っていく必要がある、にとどまっていますが、
近々改正される可能性があるとして遺産分割や相続税対策についてアドバイスした方が良さそうです。

所得課税
1.住宅ローン控除の控除率の見直し 1%⇒0.7%
2.所得税等の納税地の異動・変更に関して、届出書の提出が不要になるのは地味にうれしいです

資産課税
1.住宅取得等資金の贈与税の非課税制度は2年延長
  契約締結時期にかかわらず、という点に注意が必要との話です

法人課税
これが目玉ですよね
1.給与等の支給額が増加した場合の税額控除の拡充

消費課税
インボイス制度について少し、、、

納税環境整備
1.税理士法の改正 懲戒事案には気を付けましょう
2.財産債務調書の提出義務者に、財産価額の合計が10億円以上の居住者を提出義務者とする(令和5年分以後の財産債務調書について適用)
  ・・・大変なことになりました
3.財産債務調書の提出期限を翌年6月30日とする
  ・・・少し救われました
4.個人住民税において、特定配当等及び特定株式等譲渡所得金額に係る所得の課税方式を所得税と一致させることとする(令和6年度分以後の個人住民税について適用)
  ・・・ビックリしたのですが、選択制にしたばかりではないでしょうか。社会保険料への影響や課税の公平性から一致させる見直しもされていたのですね。

質疑応答事例が追加されました 主に譲渡所得関係令和3年11月26日

2021年12月10日|近藤会計

小田原の税理士の近藤慎之助です。

質疑応答事例が追加されましたので内容を確認します。

所得税
青色申告特別控除10万円と55万円の確定申告の要否
・・・たまたま先日お客様にご説明していた内容と同じでしたから、おっ、という感じですが、55万円控除は期限内申告要件ありますから、55万円控除を考慮しての給与所得者等の20万円以下の少額パスはダメ、ということですね。

譲渡所得
空家の3000万円控除についての追加のみですが、気になったのは、
1.被相続人居住用家屋以外の建物等を取り壊さない場合
・・・被相続人の元自宅は取り壊すけど、倉庫と車庫は取り壊さずに引き渡した場合でも、元自宅に対応する敷地については、3000万円控除の適用可、ということです。

2.引渡日ベースで申告するか、契約日ベースで申告するか
・・・わかっていてもドキドキする論点ではないでしょうか、大丈夫だよな、と。掲載されたことで少し安心感が増しました。例えば契約日ベースで申告する場合には、契約日までに建物の取り壊し等を完了させてね、ということです。

3.同一敷地内に建物が何棟かあり、登記されている建物と未登記家屋とある場合に、登記簿の床面積と固定資産台帳の床面積を基準に敷地の按分しても良い、という回答はなんだか珍しさを感じるのは私だけでしょうか。このような細かい論点まで回答事例として掲載するものなのですね。

ページトップへ
× メニューを閉じる
× メニューを閉じる